小ネタ「踏み込みの足りない解釈」
小ネタ「踏み込みの足りない解釈」を、アップしました。
泰明×あかね「鬼火」エピローグをベースにした、ギャグSSSです。下に畳んでありますので、「続きを読む」からご覧下さい。
拍手とメッセージ、ありがとうございました!!
笑ってもらってうれしい!!
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踏み込みの足りない解釈
※[小説]の泰明×あかね「鬼火」エピローグを元にしています
「何をしている、神子」
「きゃ……」
いきなり夜闇の中から現れた泰明に、あかねは小さな悲鳴を上げた。
「や…泰明さん!」
決心してきたはずなのに、突然過ぎて心の準備が追いつかない。
「驚かせてすまなかった、神子。
だが、何があった!? そのように急いで、一人で何を探している」
「あ……ええと……泰明さんを、探していました」
「なぜ、私を?」
泰明は小さく首を傾げた。
「用があるなら、使いの者に探させればいい。
傷の癒えない身体で無茶をすれば身体に障る」
「そんな……代わりの人じゃだめです!
私が泰明さんに会いたかったんです。
だって泰明さんは酷い怪我をしていて、手当もしていなくて、
それから………」
泰明の顔に戸惑いが浮かぶ。
「分からない。なぜ神子は私を案ずる。
私はお前の道具だ。気遣う必要はない」
「なぜって……それは……」
あかねの頬がぽっと赤くなった。
「私、泰明さんのこと………」
「神子が、私のことを……?」
「あいしてるから」
だが、あかねの言葉と同時に、
「泰明ぃ~~!」
「助けてくれぇ~~~!!」
「ひぃぃぃ~~~~!!!」
救援を求める兄弟子達の式神が現れた。
「泰明、晴明様がお呼びだ!!!!!」
晴明の使いの鬼神が現れて割れ鐘のような声で呼ばわった。
「神子殿が見つかりましたぞ!!」
武士団が現れた。
「神子様!」
「こっそり抜け出すなんていけません!!」
「寿命が縮まりました!!!」
藤姫率いる女房達が現れた。
「神あか子殿!こ神ん子ね!なあ殿!か所あね!かにねちゃいた神ん!のだ子!ね」
八葉が現れた。
大きな音が幾つも重なって、あかねの言葉はかき消されてしまった。
しかし、泰明はあかねの口元の動きを誤りなく見て取っている。
「あ・い・い・え・う・あ・あ」
その直後、あかねの顔は真っ赤になった。
――神子の体温が上昇している。
裸足で庭を走ってくるからだ。
このままでは風邪を引く。
「部屋まで送る」
泰明は、あかねを軽々と抱え上げると、
そのまますたすた歩き出した。
「泰明ぃぃぃ~~~」
「早くぅぅぅ~~~」
「ひぃぃぃ~~~」
以下略
兄弟子の式神から八葉まで、二人と一緒に移動する。
周囲に聞こえないよう、あかねが小声で言った。
「あ、あの……泰明さん、私が言ったこと……」
泰明は、腕の中のあかねに向かって、こくりと頷いて微笑む。
「神子、私も同じだ」
「泰明…さん……」
あかねは耳まで赤くなって、それ以上何も言えない。
「兄弟子他に声は消されてしまったが、問題ない。
神子の言葉は唇の動きで分かった」
「は…はい……あの……」
「私のことを『大事ですから』と、神子は言ったのだろう?
私も、神子が大事だ。
………とても、大事だ」
Q: 八葉の中で、一人だけ長セリフを言っているのは誰でしょう。
※[小説]の泰明×あかね「鬼火」エピローグを元にしています
「何をしている、神子」
「きゃ……」
いきなり夜闇の中から現れた泰明に、あかねは小さな悲鳴を上げた。
「や…泰明さん!」
決心してきたはずなのに、突然過ぎて心の準備が追いつかない。
「驚かせてすまなかった、神子。
だが、何があった!? そのように急いで、一人で何を探している」
「あ……ええと……泰明さんを、探していました」
「なぜ、私を?」
泰明は小さく首を傾げた。
「用があるなら、使いの者に探させればいい。
傷の癒えない身体で無茶をすれば身体に障る」
「そんな……代わりの人じゃだめです!
私が泰明さんに会いたかったんです。
だって泰明さんは酷い怪我をしていて、手当もしていなくて、
それから………」
泰明の顔に戸惑いが浮かぶ。
「分からない。なぜ神子は私を案ずる。
私はお前の道具だ。気遣う必要はない」
「なぜって……それは……」
あかねの頬がぽっと赤くなった。
「私、泰明さんのこと………」
「神子が、私のことを……?」
「あいしてるから」
だが、あかねの言葉と同時に、
「泰明ぃ~~!」
「助けてくれぇ~~~!!」
「ひぃぃぃ~~~~!!!」
救援を求める兄弟子達の式神が現れた。
「泰明、晴明様がお呼びだ!!!!!」
晴明の使いの鬼神が現れて割れ鐘のような声で呼ばわった。
「神子殿が見つかりましたぞ!!」
武士団が現れた。
「神子様!」
「こっそり抜け出すなんていけません!!」
「寿命が縮まりました!!!」
藤姫率いる女房達が現れた。
「神あか子殿!こ神ん子ね!なあ殿!か所あね!かにねちゃいた神ん!のだ子!ね」
八葉が現れた。
大きな音が幾つも重なって、あかねの言葉はかき消されてしまった。
しかし、泰明はあかねの口元の動きを誤りなく見て取っている。
「あ・い・い・え・う・あ・あ」
その直後、あかねの顔は真っ赤になった。
――神子の体温が上昇している。
裸足で庭を走ってくるからだ。
このままでは風邪を引く。
「部屋まで送る」
泰明は、あかねを軽々と抱え上げると、
そのまますたすた歩き出した。
「泰明ぃぃぃ~~~」
「早くぅぅぅ~~~」
「ひぃぃぃ~~~」
以下略
兄弟子の式神から八葉まで、二人と一緒に移動する。
周囲に聞こえないよう、あかねが小声で言った。
「あ、あの……泰明さん、私が言ったこと……」
泰明は、腕の中のあかねに向かって、こくりと頷いて微笑む。
「神子、私も同じだ」
「泰明…さん……」
あかねは耳まで赤くなって、それ以上何も言えない。
「兄弟子他に声は消されてしまったが、問題ない。
神子の言葉は唇の動きで分かった」
「は…はい……あの……」
「私のことを『大事ですから』と、神子は言ったのだろう?
私も、神子が大事だ。
………とても、大事だ」
Q: 八葉の中で、一人だけ長セリフを言っているのは誰でしょう。
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